霊能者が語る縁結び、縁切りの場

縁切り場の歴史

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縁切り場の歴史

縁結びスポットとして誰もが真っ先に思いつく、日本で一番有名な場所はやはり出雲大社でしょう。出雲大社の祭神は大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)、一般的にはオオクニヌシノミコトと呼ばれる因幡の白兎で有名な神様です。この大国主大神は結びの神様と言われています。それが出雲大社を縁結びの神社であるという所以なのですが。でも大国主大神にまつわる話を見る限り、男女の縁を取り持つようなイメージは湧いてきません。

実は大国主大神の結びの力はもっと広範囲にわたります。つまり恋愛を超えた人と人の繋がり、仕事やお金の縁までをカバーしているのです。大国主大神は幾多の困難や試練を乗り越えて国を作り須勢理比売(すせりひめ)を娶りました。それを成しえたのは助けてくれる、力を貸してくれる存在があったからこそと言えます。つまり大国主大神は縁によって生かされ達成した、それが縁結びの神様となった所以ではないでしょうか。

縁切り場の歴史イメージ

一方神社の方は祭神があらゆる欲を絶った、というエピソードを抱えているケースが結構あるようです。つまりこのような神社は縁結びの神社同様、男女の縁を超えた幅広い縁切りに力を与えてくれるというわけなのです。たとえばギャンブルや買い物など依存症のようなもの、ダイエットしたいのに食べるのをやめられない、仕事の怠け癖をなんとかしたい、こういったことをすべて悪縁として断ち切ってくれるのが縁切りの神社です。

もう一つ特徴的なのは縁切り神社には縁結びのスポットも兼ね備えているところが多いのです。ある程度の規模の神社なら本殿の他に末社が同じ敷地にありますが、ここの一つが縁結びの神様になっているというわけです

このような背景を見ると、縁切りの場とは自分にとってマイナスの物を切り離し、より良い人生を得る為の場と言えるでしょう。

京都の有名な縁切り神社について

京都に縁切り神社として有名な安井金比羅宮があります。こちらの縁切りの祈願のやり方は縁切り・縁結びの碑(いし)に願掛けのお札を貼って表から碑の穴をくぐれば縁切りに、逆方向からくぐれば縁結びになるというものです。ここも縁切りと同時に縁結びができる人生を好転させる場であるのですが。ただ碑に貼ってあるお札や奉納してある絵馬に書かれている内容が怖い物が多いのだそうです。たとえば好きになった人にすでに恋人がいたのか「○○と○○が別れますように」、あるいは不倫をしているのでしょうか「彼の奥さんが死にますように」。さすがに「夫の愛人がいなくなりますように」と書いた方には少々同情したくはなりますが。

縁切りイメージ

占い師も霊能者もカウンセラーも「不倫はいけない」とあっさり切って捨てるだけでは務まりません。どんな人の言うことにも一部の理がある、という姿勢で臨まなくてはならないのです。でもこれらの絵馬などに書かれている願望を見るとなんとも嫌な気分になるのは否定できません。縁結びの時にも言いましたが、霊能者も当然神様も身勝手なエゴの塊の願望を成就させることはありません。だからあのような願望が聞き届けられることはあり得ません。

次回は縁切りの場について語りたいと思います。

でもこの神社を紹介した中に縁切り祈願をご本人がした方がいました。その方は祈願後に「なんだかすっきりした」という感想を述べていましたが、そこから考えるとエゴ丸出しの絵馬やお札でも己の内に巣食うネガティブな物を吐き出して浄化していただく効果があるのではないでしょうか。たとえ奉納した祈願がかなわなくても人生をリセットし新たな方向に歩むチャンスを与えられるということなのです。

縁切りに絡む念

さらに特徴的なのが縁結びと違って縁切りは男女の縁切りに特化した場が結構あるということです。先に述べたかつて駆け込み寺だったお寺もそうですが、京都の橋姫神社のように恋人同士や結婚式の列がその前を通ると無条件で縁切りされてしまうような場も存在します。橋姫は嫉妬の神様としても有名ですが、たとえば将門の首塚のように恨みや嫉妬の念というのはそれだけ強烈なのだと言えるでしょう。

ただ重ね重ね言いますが、本来縁切りの場とは「自分にとって不要な物を取り去り、より良い人生を歩むための新しい物を取り入れるためのスペースを作る場」なのです。同時に良縁を願える便利な縁切りの場も多数存在します(少数ですが縁切りもできる縁結び神社も存在します)。そのことを頭において賢く縁切りの場の力をいただいてください。

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